ティム・バートン&ジョニー・デップの黄金コンビが贈る!映画『ダーク・シャドウ』徹底解説&考察

ゴシックホラーとブラックコメディが融合した独特の世界観で知られる鬼才ティム・バートン監督と、彼のミューズである俳優ジョニー・デップが再びタッグを組んだ話題作、それが映画『ダーク・シャドウ』です。本作は、18世紀にヴァンパイアとなった男が、200年の時を経て現代(1972年)に蘇るという奇想天外な物語。没落した名家を再興しようとするヴァンパイアの奮闘と、彼を永遠の命の呪縛にかけた魔女との因縁を描きます。果たして、バーナバス・コリンズは家族を守り、かつての栄光を取り戻すことができるのでしょうか?
概要・原題
- 原題: Dark Shadows
- 公開年: 2012
- ジャンル: ゴシック、ファンタジー、コメディ
- 監督: ティム・バートン
- プロデューサー: リチャード・D・ザナック、グレアム・キング、ジョニー・デップ、クリスティ・デンブロウスキー、デイビッド・ケネディ、ダニー・エルフマン
- あらすじ: 18世紀に裕福な名家コリンズ家の御曹司として生きていたバーナバス・コリンズは、魔女アンジェリーク・ブーシャールに裏切られ、ヴァンパイアに変えられて生き埋めにされてしまう。それから200年後、1972年の現代に棺から解放された彼は、見る影もなく没落したコリンズ家と子孫たちに出会う。彼は、一家の繁栄を取り戻すことを決意するが、アンジェリークが今もコリンズポートを牛耳っていることを知る。
あらすじ
1772年、イングランドからアメリカに渡ったコリンズ家は、漁業で莫大な富を築き、コリンウッド館を建設します。御曹司バーナバス・コリンズはプレイボーイとして知られ、多くの女性を魅了していました。しかし、使用人だった魔女アンジェリーク・ブーシャールと関係を絶ったことで、彼女の激しい嫉妬を買い、呪いをかけられます。彼の真の恋人ジョゼットは崖から飛び降りて命を落とし、バーナバス自身もヴァンパイアに変えられ、生き埋めにされます。200年後の1972年、偶然の工事によって棺から目覚めたバーナバスは、すっかり様変わりした世界に戸惑います。彼は荒れ果てたコリンウッド館に戻り、落ちぶれた末裔たち、エリザベス、キャロリン、デビッド、ロジャーらと出会います。一家再興を目指すバーナバスの前に、今なおコリンズポートを支配するアンジェリークが立ちはだかります。
キャスト
- バーナバス・コリンズ:ジョニー・デップ
- エリザベス・コリンズ・ストッダード:ミシェル・ファイファー
- ドクター・ジュリア・ホフマン:ヘレナ・ボナム=カーター
- アンジェリーク・ブーシャール:エヴァ・グリーン
- ロジャー・コリンズ:ジョニー・リー・ミラー
- キャロリン・ストッダード:クロエ・グレース・モレッツ
- ウィリー・ルーミス:ジャッキー・アール・ヘイリー
- ヴィクトリア・ウィンターズ:べラ・ヒースコート
- シェリフ・スチュワート:ガリー・マクグラス
主題歌・楽曲
- 音楽:ダニー・エルフマン
- 1970年代のヒットソングが多数使用されており、当時の雰囲気を巧みに表現している。
受賞歴
詳細情報なし
撮影秘話
本作は、1966年から1971年にかけて放送された同名の人気テレビシリーズが原作です。ジョニー・デップは、子供の頃に熱中したこのシリーズを映画化することを長年夢見ており、自らプロデューサーとしても参加しました。ティム・バートン監督は、原作の持つダークな雰囲気を尊重しつつ、1970年代のポップカルチャーを融合させることで、ユニークな世界観を構築。特に、バーナバスが現代の家電製品や音楽に戸惑うシーンは、ブラックユーモアに満ちており、監督の遊び心を感じさせます。また、ジョニー・デップのヴァンパイアメイクは非常に緻密に作られており、彼の役への深い愛着がうかがえます。
感想
『ダーク・シャドウ』は、ティム・バートン監督のファンであれば間違いなく楽しめる作品です。ゴシックホラー、ファンタジー、そしてコメディというジャンルが、彼の独特な映像美と見事に融合しています。ジョニー・デップ演じるバーナバスは、彼のキャリアの中でも屈指のハマり役と言えるでしょう。また、エヴァ・グリーン演じる魔女アンジェリークの、美しくも恐ろしい存在感は、物語に強烈なアクセントを与えています。単なるホラー映画ではなく、家族の愛と再生を描いた感動的な物語としても楽しめます。
レビュー
肯定的な意見
・「ティム・バートンの世界観が全開で最高!キャストも豪華で見ていて飽きない。」
・「ジョニー・デップのヴァンパイア役が絶妙。真面目な顔で時代錯誤な言動をするのが面白すぎる。」
・「映像がとにかく美しい。ダークでファンタジックな雰囲気がたまらない。」
否定的な意見
・「ストーリーが散漫で、何を描きたいのかわかりにくかった。」
・「コメディ要素が強すぎて、ホラーを期待していた人には物足りないかも。」
考察
時代に取り残された男の悲哀
本作の最大の魅力は、ジョニー・デップ演じるバーナバスが、200年の時を経て1970年代の現代に蘇るという設定にあります。彼にとって、ヒッピー文化やロックンロール、テレビや自動車といったものはすべて未知のものです。彼の洗練された18世紀の価値観が、自由奔放な70年代の文化と衝突する様子は、ユーモラスでありながらも、時代に取り残された者の悲哀を深く描いています。これは、過去の栄光にしがみつくコリンズ家そのものの姿とも重なり、物語に深みを与えています。
魔女アンジェリークの愛と嫉妬
エヴァ・グリーン演じる魔女アンジェリークは、単なる悪役ではありません。彼女の行動はすべて、バーナバスへの歪んだ愛と、彼に捨てられたことへの激しい嫉妬から来ています。彼女の愛憎は、コリンズ家の運命を狂わせ、バーナバスの人生を永遠に縛り続けます。この映画は、愛が持つ破壊的な側面を、ゴシックホラーという形で表現していると言えるでしょう。
※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。
ラスト
物語のクライマックスは、コリンウッド館でのバーナバスとアンジェリークの最終決戦です。アンジェリークは、コリンズ家の人間を次々と襲い、バーナバスを精神的に追い詰めます。しかし、家族の絆とヴィクトリアの愛に支えられたバーナバスは、彼女と激しく戦います。最終的に、アンジェリークはバーナバスへの愛を告白しながら、自身の心臓を抜き取って絶命します。その後、バーナバスは、崖から落ちたヴィクトリアを救うために彼女をヴァンパイアに変えます。彼女が生まれ変わり、再び「ジョゼット」としてバーナバスの前に現れることで、二人の悲しい物語は終わりを迎えます。
視聴方法
DVD&Blu-ray情報
まとめ
『ダーク・シャドウ』は、ティム・バートン監督の独特の美意識とジョニー・デップの卓越した演技が光る、魅力的な作品です。ゴシックホラーでありながら、家族の絆や再生という普遍的なテーマを深く掘り下げており、観るたびに新たな発見があります。1970年代のファッションや音楽も見どころの一つで、視覚的にも聴覚的にも楽しめること間違いありません。Amazonプライムビデオで配信中なので、ぜひこの機会にご覧になってみてください。この奇妙で愛すべきヴァンパイアの物語は、きっとあなたの心を掴むはずです。
映画のジャンル
ゴシック, ファンタジー, コメディ
- ダーク・シャドウ
- ジョニー・デップ
- ティム・バートン
- ヴァンパイア
- ホラーコメディ
- ネタバレ
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