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映画『アシュラ』:獣として生まれ、人間として生きる哀しき運命の物語

 

映画『アシュラ』:獣として生まれ、人間として生きる哀しき運命の物語

映画 アシュラのポスター

15世紀中期、相次ぐ洪水や旱魃、飢饉によって荒廃し、応仁の乱という未曾有の内戦が繰り広げられた京都。そんな時代に獣として生きるアシュラは、人間らしい心を持たずに過酷な日々を生き抜いていました。しかし、若狭という少女の優しさと愛、そして法師の教えに触れたことで、アシュラは次第に人間性を備えていきます。言葉を覚え、笑い、喜びを感じる日々。それは、アシュラにとって初めての温かい世界でした。しかし、再び天災と貧困が人々を襲い、人間性を失っていく人々を見て、アシュラは絶望します。そしてついに、愛する若狭さえもが…。「人間とは何か」を問いかける、哀しくも美しい運命の物語です。

 

 

 

 

概要・原題

 

 

あらすじ

 

戦乱と飢饉で荒廃した中世の京都。獣として生きる少年アシュラは、生きるために人間を襲い、過酷な日々を送っていました。しかし、若狭という心優しい少女との出会い、そして法師から「おまえは人間だ」と教えられたことで、彼の心は少しずつ変化していきます。人間としての感情や言葉を学び、若狭と共に過ごす穏やかな日々に幸せを感じるアシュラ。しかし、飢餓によって人間性を失った人々は、食料を求めてアシュラと若狭に襲いかかります。アシュラは人間を信じようとしますが、若狭までもが飢えに苦しみ、ついに人間を裏切る行動に出てしまいます。人間としての心を捨て、再び獣に戻るのか。それとも、愛する者を守るために戦うのか。アシュラの運命は、残酷な選択を迫られます。

 

キャスト

 

 

主題歌・楽曲

 

 

受賞歴

 

 

撮影秘話

 

  • 本作は、秋山ジョージによる1970年代の漫画『阿修羅』を原作としています。しかし、映画版では物語が再構成され、より現代的なテーマが加えられています。
  • 手描きアニメーションの質感とCGアニメーションの迫力を融合させた「デジタル絵巻」という手法で制作されました。キャラクターの表情や動き、背景の壮大な世界観が見事に描かれています。
  • アシュラ役の声優に、国民的声優である野沢雅子を起用したことが大きな話題となりました。彼女の迫真の演技が、アシュラの葛藤と叫びをリアルに伝えています。
  • 監督のさとうけいいちは、本作を制作するにあたり、原作の持つ「人間とは何か」という問いを深く掘り下げることにこだわりました。

 

感想

 

映画『アシュラ』は、その壮絶な映像と重いテーマで、観る者の心に強烈なインパクトを残す作品です。ただのアニメーション映画ではなく、人間の残酷さや哀しさを、時に痛々しいほどリアルに描き出しています。獣として生きていた少年が、愛と優しさに触れ、人間へと変わっていく過程は感動的です。しかし、飢餓によって人間性を失っていく人々との対比は、私たちの胸に深く突き刺さります。これは、決して他人事ではない、普遍的なメッセージを投げかける傑作です。

 

レビュー

 

肯定的な意見

・「映像表現が斬新で、CGなのに手描きのような温かみがあった。特に戦闘シーンの迫力は凄まじい。」

・「野沢雅子さんの演技が圧巻。アシュラの苦悩や叫びが魂を揺さぶるようだった。」

・「人間とは何か、という深いテーマが描かれていて、考えさせられる作品だった。」

否定的な意見

・「内容がグロテスクで、子供には見せられない。」

・「原作ファンとしては、ストーリーが変更されている点が残念だった。」

 

考察

 

人間と獣の境界線

この物語の最大のテーマは、人間と獣の境界線です。アシュラは、獣として生まれながらも、若狭との出会いを通じて人間性を獲得していきます。しかし、飢餓に苦しむ人々は、生きるために獣のような行動をとってしまいます。この対比は、人間性を保つことの困難さ、そして、環境が人間をいかに獣に変えうるかを示唆しています。本当の獣は、どちらだったのでしょうか。

 

愛と悲劇の物語

若狭の愛は、アシュラを救い、彼に人間としての喜びを与えます。しかし、その愛がゆえにアシュラは苦しみ、悲劇的な結末を迎えます。この物語は、愛が時に、人間をさらなる苦悩に陥れる可能性を提示しています。アシュラの悲劇は、愛を経験したからこそ訪れた、避けられない運命だったのかもしれません。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

飢えに苦しみ、ついに人肉を食べてしまった若狭を見て、アシュラは絶望します。しかし、若狭は「アシュラ、あなたは人間だよ」と言葉を残して息絶えます。その言葉に導かれたアシュラは、自らの腕を切り落とし、その肉を若狭に与えようとします。彼は、最後まで若狭を人間として信じ、愛し続けたのです。この行動は、アシュラが完全な獣ではなく、人間としての心を持っていたことを示しています。彼は、愛する者のために、自らの肉体という獣性を乗り越えるという究極の選択をしました。物語は、アシュラが若狭の遺体を抱きかかえ、静かに生き続ける姿で幕を閉じます。それは、人間としての悲しみを背負って生きる、哀しくも美しい姿でした。

 

視聴方法

 

 

DVD&Blu-ray情報

 

 

 

まとめ

 

『アシュラ』は、混沌とした時代を舞台に、人間と獣の境界線を問う、深く重いテーマを扱った作品です。迫力ある映像と、心を揺さぶる物語は、観る者に強烈な印象を与えます。アシュラが若狭の愛によって人間性を獲得し、そして悲劇的な運命に直面する姿は、私たちの心に深く突き刺さります。これは、単なるアニメーションとしてだけでなく、人間の本質を鋭く描いた傑作として、ぜひ多くの人に観ていただきたい作品です。

 

映画のジャンル

 

アニメーション、ファンタジー、ドラマ

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