映画『モンスター上司』:上司を葬り去る計画を立てたサラリーマン3人組の奮闘記

映画『モンスター上司』(原題:Horrible Bosses)は、自分たちの人生を地獄にしている「モンスター」のような上司たちから解放されたいと願う、ニック、カート、デールの3人の親友の奮闘を描いたブラックコメディです。仕事熱心なニックはサイコパスな社長デイブに、自由奔放なカートは会社の金を使い込むドラッグ中毒の息子ボビーに、そして歯科技工士のデールはセクハラ上司のジュリアに、それぞれ苦しめられています。彼らにとって、辞めるという選択肢は生活のためにあり得ません。ある晩、お酒の勢いで「上司排除計画」を真剣に話し合い始めた3人は、怪しげな元詐欺師(通称マザーファッカー・ジョーンズ)からアドバイスを受け、自分たちで直接手を下すのではなく、「お互いの上司を殺し合う」という、絶対に失敗しないと思われた完璧な計画を立てます。しかし、彼らの計画は次から次へと予期せぬトラブルに見舞われ、事態はコミカルかつ危険な方向へと転がり始めます。ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキスという実力派コメディ俳優たちが中心となり、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、ケビン・スペイシーら豪華俳優陣が個性的なモンスター上司を演じ、笑いとスリルに満ちた物語が展開されます。
概要・原題
- 原題: Horrible Bosses
- 公開年: 2011年
- 上映時間: 約98分
- ジャンル: ブラックコメディ、犯罪、コメディ
- 監督: セス・ゴードン(Seth Gordon)
- プロデューサー: ブレット・ラトナー, ジェイ・スターン
- 特記事項: この映画は、多くの社会人が抱える「上司への不満」という普遍的なテーマを極端にコミカルに描き、公開当時、大きな話題となりました。豪華キャストが、普段のイメージを覆すような型破りなキャラクターを演じている点も見どころです。
あらすじ
ニックは、上司デイブから昇進をちらつかされながら奴隷のように働かされた挙げ句、その座を奪われます。カートは、尊敬していた前社長の急死後、後を継いだ薬物依存症の息子ボビーから、会社を滅茶苦茶にされてしまいます。デールは、美人で有能な上司ジュリアから、執拗なセクハラを受け続け、婚約者との関係も危うくなっています。この3人は、自分たちが辞めるのではなく、上司たちがいなくなることを望み、「殺人計画」を実行に移すことを決意します。彼らはバーで出会った元詐欺師「マザーファッカー・ジョーンズ」にアドバイスを求め、互いの上司を交換して殺害することで、動機を隠蔽しようと考えます。しかし、彼らの不器用さと間の悪さ、そして上司たちの予想外の行動により、計画は最初からつまずき始めます。ニックはカートの上司、カートはデールの上司、デールはニックの上司をそれぞれ担当することになりますが、どのターゲットも想像以上に厄介で、3人は次々とトラブルに巻き込まれていきます。
キャスト
- ニック・ヘンドリックス: ジェイソン・ベイトマン(Jason Bateman)
- カート・バックマン: ジェイソン・サダイキス(Jason Sudeikis)
- デール・アーバス: チャーリー・デイ(Charlie Day)
- ジュリア・ハリス博士(デールの上司): ジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)
- ボビー・ペリット(カートの上司): コリン・ファレル(Colin Farrell)
- デイブ・ホーケン社長(ニックの上司): ケビン・スペイシー(Kevin Spacey)
- ディーン・“マザーファッカー”・ジョーンズ: ジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)
- 特記事項: 悪役を演じた俳優陣の振り切った演技が非常に高く評価されています。特に、ジェニファー・アニストンがこれまでのイメージを覆すセクハラ上司を演じ、話題となりました。
主題歌・楽曲
- 特記事項: 音楽はクリストファー・レナーツが担当しました。映画のコメディ要素を盛り上げる、軽快で時にサスペンスフルな楽曲が使用されています。特に、主人公3人のドタバタ劇を強調するような、テンポの良い音楽が印象的です。
受賞歴
- 特記事項: コメディ作品として、数々のMTVムービー・アワードやティーン・チョイス・アワードなどにノミネートされました。ジェニファー・アニストンは、そのユーモラスな悪役ぶりで、最優秀悪役賞などに輝いています。
撮影秘話
- 即興演技の多用: 主演のジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキスは、それぞれ即興コメディの経験が豊富であり、撮影現場では台本にないアドリブが多く用いられました。これにより、3人の掛け合いがより自然で面白味のあるものとなっています。
- 上司役の変身: コリン・ファレルは、役作りのために、髪を薄くして不潔な服装をするなど、普段のハンサムなイメージとはかけ離れた姿に変身しています。
感想
『モンスター上司』は、現代社会の働く人々が抱える共通の不満を、ギリギリのラインで笑いに変えた傑作ブラックコメディです。3人組の主人公たちが繰り広げる「計画倒れ」の連続は、観客の共感を呼びながらも爆笑を誘います。特に、3人の間の絶妙な化学反応と、上司役を演じる豪華キャストの突き抜けた悪役ぶりが見事です。笑いながらも、どこか恐ろしい現実を映し出すこの映画は、ストレス解消にもぴったりの一本です。
レビュー
肯定的な意見
・「主演3人のコメディセンスが最高。特にチャーリー・デイのハイテンションな演技が爆笑もの。」
・「上司役のジェニファー・アニストンとケビン・スペイシーの悪役ぶりがハマっていて、豪華俳優陣の使い方が贅沢。」
・「現代の職場のストレスを描きながらも、最後はスカッとする。」
否定的な意見
・「ブラックユーモアが強すぎて、人によっては不快に感じる描写があるかもしれない。」
・「物語の展開が強引すぎると感じる部分がある。」
考察
「働くことの不条理」とコメディ
この映画は、昇進、セクハラ、会社の横領といった、現代の職場における不条理で深刻な問題を扱っていますが、それを「上司排除」という極端な手段によってコメディとして昇華させています。これは、現実ではあり得ない過激な行動を描くことで、観客が抱える日常の不満や鬱憤を、安全な形で代償的に発散させるカタルシス効果を生み出していると言えます。
完璧な計画の破綻と現実
主人公たちが考案した「上司交換殺人計画」は、一見論理的ですが、彼ら自身の不器用さと、計画を遥かに超える上司たちの「モンスター」ぶりによって、すぐに破綻します。この「完璧な計画」と「悲惨な現実」のギャップこそが、映画の主なコメディの源となっています。彼らの失敗は、単に笑いを生むだけでなく、人生における計画性の限界と、予期せぬ出来事への対応力を試される現実の厳しさを皮肉っているとも解釈できます。
※以下、映画の結末と物語の根幹に関する重大なネタバレが含まれる可能性があります。
未視聴の方はご注意ください。
ラスト
3人の計画は完全に失敗に終わり、彼らは自分たちの上司を誰も殺すことができません。しかし、彼らの混乱した行動が、思いがけずニックの上司デイブの汚職と不正行為を明るみに出すことになります。デールの上司ジュリアは、彼らの行動を盗聴し脅迫してきますが、彼らはその盗聴テープを警察に提出し、ジュリアを逮捕させることに成功します。カートの上司ボビーは、彼らが意図せず関わった交通事故で死亡します。結局、3人は直接手を下すことなく、モンスター上司たちを職場から排除することに成功し、それぞれが望む新しい人生(またはよりマシな仕事環境)を手に入れます。ニックは新会社の社長に、カートは新しいオーナーの下で、デールはセクハラのない環境で働くことになり、物語は彼らが無罪放免となり、勝利を祝うシーンで終わります。
視聴方法
DVD&Blu-ray情報
まとめ
『モンスター上司』は、社会の不満と欲求不満を笑いに変えた、テンポが良く痛快なコメディアクションです。豪華キャストが演じる個性豊かなキャラクターと、主人公3人のドタバタな奮闘は、見る者を最後まで飽きさせません。ストレスを抱えるすべての人に、ぜひ見てスカッとしてほしい作品です。
映画のジャンル
ブラックコメディ、犯罪、コメディ

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