映画『ウィキッド ふたりの魔女』:緑の肌の魔女と人気者の少女、友情と運命の物語

世界中で愛されるミュージカルの金字塔を、壮大なスケールで映画化した『ウィキッド ふたりの魔女』。これは、オズの国で後に「西の悪い魔女」となる緑の肌の少女エルファバと、「善い魔女」となる人気者の少女グリンダの、誰も知らなかった友情と、運命が引き裂く悲しい物語の前編です。なぜ一方は悪に染まり、一方は善となったのか。その答えを探る旅は、魔法と幻想に満ちたオズの裏側に隠された、驚くべき真実を明らかにします。トニー賞受賞経験を持つシンシア・エリヴォと、世界的歌姫アリアナ・グランデの共演が話題となった超大作です。
概要・原題
- 原題: Wicked Part One
- 公開年: 2024年
- 上映時間: 約130分
- ジャンル: ミュージカル、ファンタジー、ドラマ、アドベンチャー
- 監督: Jon M. Chu
- プロデューサー: Marc Platt, David Stone
- 原作: グレゴリー・マグワイアによる小説『ウィキッド』およびそれを基にしたミュージカル
あらすじ
魔法と幻想の国オズにある<シズ大学>で出会ったふたり---- 誰よりも優しく聡明でありながら家族や周囲から疎まれ孤独なエルファバと、誰よりも愛され特別であることを望むみんなの人気者グリンダは、大学の寮で偶然ルームメイトに。見た目も性格も、そして魔法の才能もまるで異なるふたりは反発し合うが、互いの本当の姿を知るにつれかけがえのない友情を築いていきます。 ある日、誰もが憧れる偉大なオズの魔法使いに特別な力を見出されたエルファバは、グリンダとともに彼が司るエメラルドシティへ旅立ち、そこでオズに隠され続けていたある秘密を知ります。それは、世界を、そしてふたりの運命を永遠に変えてしまうものだった…
キャスト
- エルファバ: Cynthia Erivo(シンシア・エリヴォ)
- グリンダ: Ariana Grande-Butera(アリアナ・グランデ)
- フィエロ: Jonathan Bailey(ジョナサン・ベイリー)
- マダム・モリブル: Michelle Yeoh(ミシェル・ヨー)
- オズの魔法使い: Jeff Goldblum(ジェフ・ゴールドブラム)
- ボック: Ethan Slater(イーサン・スレイター)
- ネッサローズ: Marissa Bode(マリッサ・ボーデ)
- ディラモンド教授: Peter Dinklage(ピーター・ディンクレイジ)(声の出演)
主題歌・楽曲
- 作曲・作詞: スティーヴン・シュワルツ
- 特記事項: ミュージカルからの名曲が多数登場し、映画のためにアレンジされています。「Defying Gravity」や「Popular」、「For Good」といった楽曲が、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの圧倒的な歌唱力で披露され、作品の感動を深めています。
受賞歴
- アカデミー賞の美術部門、衣装部門、視覚効果部門、主題歌賞など複数の部門でノミネートが期待されています。
- ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門の作品賞、主演女優賞でノミネートを果たしています。
撮影秘話
- 本作の撮影は、英国バッキンガムシャーにある大規模なセットで行われ、幻想的なエメラルドシティやシズ大学の風景が細部まで忠実に再現されました。
- 監督のジョン・M・チュウは、歌唱シーンの多くをライブで録音し、俳優たちの感情表現を最大限に引き出すことにこだわりました。
- シンシア・エリヴォがエルファバの緑のメイクを毎日数時間かけて施す必要があり、その舞台裏の努力が作品のリアリティを支えています。
感想
期待を遥かに超える、まさに「魔法のような」映画体験でした。シンシア・エリヴォのエルファバは、ただの「悪い魔女」になる前の、内面の優しさや葛藤を見事に表現しており、心を揺さぶられます。一方のアリアナ・グランデが演じるグリンダは、愛らしさと脆さ、そして複雑な野心を兼ね備えた魅力的なキャラクターとして輝いています。二人の間に芽生える友情が、後半のオズの国の「秘密」によって引き裂かれていく様は涙なしには見られません。特に、終盤の「Defying Gravity」のシーンは、圧巻のスケールと感情の爆発力で、ミュージカルファンでなくとも鳥肌が立つほどの感動です。
レビュー
肯定的な意見
・「映像、歌唱、演技、全てがパーフェクトなミュージカル映画の傑作。エリヴォとグランデの化学反応が素晴らしい。」
・「オズの国の設定や衣装が絢爛豪華で、夢のような世界観に没入できる。これぞ劇場で見るべき作品。」
・「単なる前日譚ではなく、女性の友情、社会の差別、プロパガンダといった現代的なテーマが深く描かれている。」
否定的な意見
・「物語の展開を知っている人には新鮮さに欠ける部分もあるかもしれない。」
・「ミュージカルパートとドラマパートのバランスが、時にミュージカル初心者には長く感じられるかもしれない。」
考察
「善悪」は誰が定義するのか
本作の核心は、「ウィキッド(邪悪)」とは何か、そしてそれを誰が定義するのかという問いです。エルファバがオズの魔法使いの真の姿と、彼が動物たちから能力を奪っているという秘密を知った時、彼女の「善意」は体制に敵対するものとなります。そして、体制側は彼女を「悪い魔女」として人々に広めることで、真実を隠蔽します。この映画は、私たちがメディアや権威から与えられる情報によって、いかに簡単に誰かを悪者にしてしまうかという、プロパガンダの恐ろしさを示唆しています。
フィエロを巡る複雑な三角関係
グリンダとエルファバ、そしてフィエロの関係は、物語の感情的なクライマックスを形成します。フィエロは当初、軽薄な存在として描かれますが、エルファバの真の優しさに触れることで変化します。彼が最終的に選ぶ道は、単なるロマンスを超え、信念と愛のどちらを優先するかというテーマと深く結びついており、二人の魔女の運命を決定づける重要な要素となっています。
※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。
ラスト
エルファバはオズの魔法使いの正体を知り、彼の不正な行為を阻止しようと試みますが、阻止できず追われる身となります。マダム・モリブルの協力により、彼女は魔法で空へと舞い上がり、自由への道を選びます。この象徴的なシーンで、グリンダはエルファバを助けようとしますが、エルファバはグリンダに「善い魔女」としての道を選ぶよう促し、彼女と決別します。エルファバが空を飛ぶ姿を見たオズの国の人々は、彼女を「西の悪い魔女」として認識し、彼女の運命は決定づけられます。グリンダは表向きは「善い魔女」として人々の前に立ちますが、心の中ではエルファバへの友情と、彼女を救えなかった後悔を抱え続けることになり、この悲劇的な結末で前編は幕を閉じます。
視聴方法
DVD&Blu-ray情報
まとめ
映画『ウィキッド ふたりの魔女』は、単なるミュージカルの映像化に留まらず、時代を超えて響くテーマと、圧巻の映像美で観客を魅了します。エルファバとグリンダの、時に激しく、時に切ない友情の物語は、多くの観客の胸を打ちました。なぜ誰もが知る「オズの魔法使い」の物語が生まれたのか、その裏側の真実を知るためにも、ぜひこの壮大な物語の前編を視聴方法でチェックしてください。後編への期待が高まること間違いなしです。
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