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映画『ドライブアウェイ・ドールズ』:謎のスーツケースを巡る、予測不能なアメリカ縦断ドライブ

 

映画『ドライブアウェイ・ドールズ』:謎のスーツケースを巡る、予測不能アメリカ縦断ドライブ

映画 ドライブアウェイ・ドールズ のポスター

『ファーゴ』や『ノーカントリー』のイーサン・コーエン監督が初の単独監督を務め、妻で編集者のトリシア・クックと共同脚本を手掛けたクライム・コメディ『ドライブアウェイ・ドールズ』(原題:Drive-Away Dolls)。日々の生活に行き詰まりを感じていた奔放なジェイミーと、堅物で内気なマリアン。性格が正反対の二人の女性は、気分転換のために「ドライブアウェイ(車の配送)」を利用して、フィラデルフィアからフロリダ州タラハシーまでのアメリカ縦断ドライブに出かけます。しかし、配送会社の手違いで彼女たちに割り当てられた車のトランクには、謎のスーツケースとさらに衝撃的な「あるもの」が積まれていました。それを知らずに旅を楽しむ二人を、スーツケースを取り戻そうとするギャングたちが執拗に追いかけます。予測不能なハプニングとユーモア、そしてロマンスが詰まった、スリル満点のロードムービーです。

 

 

 

 

概要・原題

 

 

あらすじ

 

1999年、フィラデルフィア。恋人と破局したばかりの自由奔放なジェイミーと、真面目すぎて人生を楽しめていない友人のマリアンは、現状を変えるためにタラハシーへのドライブ旅行を計画します。節約のため、彼女たちは「ドライブアウェイ」と呼ばれる、依頼人の車を目的地まで運転して届けるサービスを利用することにします。しかし、手配ミスにより、本来はギャングに渡されるはずだった車が二人に貸し出されてしまいます。その車のトランクには、とある上院議員の秘密に関わる「謎のスーツケース」と、生首が入った箱が積まれていました。何も知らない二人は気ままな旅を始めますが、スーツケースを回収し損ねたギャングたちが彼女たちの後を追い始めます。行く先々でトラブルに巻き込まれながらも、ジェイミーとマリアンは互いの絆を深め、やがて自分たちが運んでいる危険な荷物の正体を知ることになります。

 

キャスト

 

  • ジェイミー: マーガレット・クアリー
  • マリアン: ジェラルディン・ヴィスワナサン
  • スーキー(ジェイミーの元恋人・警官): ビーニー・フェルドスタイン
  • チーフ(ギャングのボス): コールマン・ドミンゴ
  • アーリス(ギャングの手下): ジョーイ・スロトニック
  • フリント(ギャングの手下): C・J・ウィルソン
  • ゲイリー・チャネル上院議員: マット・デイモン
  • サントス(コレクター): ペドロ・パスカル
  • カーリー(配送会社の男): ビル・キャンプ
  • カメオ出演: マイリー・サイラス

 

主題歌・楽曲

 

 

受賞歴

 

  • 公開が新しいため、主要な映画賞の受賞歴はまだ確認されていませんが、イーサン・コーエン監督の復帰作として注目を集めています。

 

撮影秘話

 

  • 本作の脚本は、イーサン・コーエンとトリシア・クックが2000年代初頭に執筆していましたが、長らく製作されずにいました。コロナ禍で時間ができたことをきっかけに、二人は脚本を見直し、映画化へと動き出しました。
  • トリシア・クック自身のアイデンティティや経験が反映されており、クィアな女性たちのロードムービーとして、従来のジャンル映画に新しい視点を加えています。
  • マット・デイモンペドロ・パスカルといった大物俳優が、意外な役どころで出演しているのも見どころの一つです。

 

感想

 

コーエン兄弟作品特有のブラックユーモアと、少し抜けた犯罪者たちが織りなすドタバタ劇が健在で、ファンにはたまらない作品です。ジェイミーとマリアンの凸凹コンビが繰り広げる会話劇はテンポが良く、二人の関係性が変化していく様子が丁寧に、そしてコミカルに描かれています。特に、トランクの中身が判明してからの展開は予想の斜め上を行くもので、笑わずにはいられません。シリアスな犯罪映画のパロディのような軽やかさと、女性たちの解放を描いた爽快感を併せ持つ、楽しいエンターテイメントでした。

 

レビュー

 

肯定的な意見

・「85分という短い上映時間でサクッと楽しめる、極上のB級テイスト・コメディ。」

・「マーガレット・クアリーの奔放な演技と、ジェラルディン・ヴィスワナサンの受けの演技の相性が抜群。」

・「下ネタ全開だが、それが逆に清々しく、クィアなテーマを明るく描いている点が良い。」

否定的な意見

・「コーエン兄弟の過去作『ファーゴ』などの重厚さを期待すると、あまりに軽すぎて肩透かしを食らう。」

・「ユーモアのセンスが独特で、好みが分かれる部分がある。」

・「ストーリー自体は単純で、深みには欠ける。」

 

考察

 

「ドライブアウェイ」が象徴するもの

タイトルにもなっている「ドライブアウェイ(車の配送)」は、単なる移動手段ではなく、主人公たちがこれまでの人生やしがらみから「走り去る(Drive-Away)」ことの象徴です。ジェイミーは失恋から、マリアンは退屈な日常から逃れようとして旅に出ますが、その道中でトラブルに巻き込まれ、解決していく過程で、彼女たちは逃げるだけでなく、自分の人生と向き合う強さを手に入れていきます。

 

スーツケースの中身と権力への風刺

ギャングや上院議員が血眼になって探しているスーツケースの中身は、実は非常に個人的で、ある意味くだらないものです(権力者たちの性的嗜好に関わるもの)。これは、権威ある男性たちが必死に隠そうとする秘密が、実は滑稽でちっぽけなものであることを暴露し、家父長的な権力構造を笑い飛ばす風刺となっています。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

ジェイミーとマリアンは、スーツケースの中身が、保守的なチャネル上院議員をはじめとする有力者たちの男性器をかたどった石膏コレクションであることを知ります。彼女たちは、これをネタに上院議員を強請ることにします。取引場所のレズビアンバーで、議員は金と引き換えにコレクションを取り戻そうとしますが、逆上して銃を取り出します。そこに、ジェイミーの元恋人で警官のスーキーが現れ、議員を射殺(または逮捕に追い込む)し、二人を助けます。事件は解決し、ジェイミーとマリアンは結ばれ、さらに深い関係になります。二人は同性婚が認められているマサチューセッツ州へ向かうことを決め、新たな旅へと出発します。エンドロールでは、二人の幸せそうな様子が描かれ、自由と愛を手に入れたハッピーエンドで幕を閉じます。

 

視聴方法

 

 

DVD&Blu-ray情報

 

日本国内でもDVD、Blu-rayが発売されています。イーサン・コーエン監督やキャストのインタビューなど、特典映像も収録されている場合があります。

 

 

 

 

まとめ

 

映画『ドライブアウェイ・ドールズ』は、イーサン・コーエン監督らしいシュールなユーモアと、現代的なテーマが融合した、痛快なクライム・ロードムービーです。シリアスな展開になりそうな場面でも、常に軽妙なトーンを崩さず、最後には爽快な気分にさせてくれます。マーガレット・クアリーとジェラルディン・ヴィスワナサンの魅力的なキャラクターと、予測不能なストーリー展開をぜひ楽しんでください。

 

映画のジャンル

 

コメディ、クライム、ロードムービー、ロマンス