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映画『28週後...』ネタバレ解説:ロンドン再建の裏に潜む新たな恐怖

映画『28週後...』ネタバレ解説:ロンドン再建の裏に潜む新たな恐怖

映画28週後...のポスター

2002年の傑作ホラー『28日後...』の続編として、2007年に公開された『28週後...』。前作で描かれた「レイジウイルス」のパンデミックから28週後、沈黙を取り戻したロンドンを舞台に、新たな物語が展開されます。軍の管理下で再建が進む街に帰還した家族が、死んだはずの母親と再会したことから、再び悪夢が始まります。人間の本能、軍事体制の脆さ、そして家族の絆をテーマに、前作を上回る圧倒的なパニックと恐怖を描いた本作は、サバイバル・ホラー映画の金字塔として高い評価を得ています。現在、Amazonプライムビデオで配信中です。

 

 

 

 

概要・原題

 

  • 原題: 28 Weeks Later
  • 公開年: 2007年
  • ジャンル: SF、ホラー、サスペンス、パニック
  • 上映時間: 100分
  • 監督: フアン・カルロス・フレスナディージョ
  • プロデューサー: アンドリュー・マクドナルド、アレックス・ガーランド
  • あらすじ: 致死性の「レイジウイルス」がイギリス全土を壊滅させてから28週間後、米軍の監視下でロンドンの復興計画が開始される。難を逃れていた姉弟のタミーとアンディも故郷へ帰還し、再会した父ドンと共に生活を始める。しかし、故郷の家を訪れた際、死んだはずの母親アリスが生存していることが判明する。彼女は感染しながらも発症しない「キャリア」であり、ワクチン開発の鍵を握る存在として保護される。しかし、ドンがアリスとキスを交わした瞬間、ウイルスが彼に感染し、彼は凶暴な感染者と化してしまう。これをきっかけに、厳重な管理下にあった「安全地帯」で再び感染爆発が起こり、ロンドンは再び地獄と化す。

 

あらすじ

 

冒頭、ドンはウイルスの大流行から生き延びていたが、感染者の襲撃から妻アリスを見捨てて逃げ出してしまう。28週後、感染者は全員餓死したと判断され、米軍の主導でロンドンが復興される。ドンは帰還した姉弟タミーとアンディに、アリスが死んだと嘘をつく。しかし、故郷の家へ戻った二人は、アリスが生存していることを知る。再会したドンはアリスの頬にキスをするが、その際に感染してしまう。感情の制御を失ったドンは、アリスを惨殺し、安全地帯の住民を次々と襲う。これにより、再び感染爆発が発生。米軍は住民ごと感染者を抹殺しようと攻撃を開始する。混乱の中、タミーとアンディは、感染者や米軍の攻撃から逃れ、唯一の希望である隔離された安全な場所を目指してロンドンをさまようことになる。

 

キャスト

 

 

主題歌・楽曲

 

  • 音楽:ジョン・マーフィー
  • 主題歌:「In the House - In a Heartbeat」
  • 備考:前作に引き続き、ジョン・マーフィーが音楽を担当。特に「In the House - In a Heartbeat」は本作でも重要なシーンで使われ、緊迫感を極限まで高めています。また、本作ではよりハードでロック色の強い楽曲が使用され、パニック描写を盛り上げています。

 

受賞歴

 

  • 詳細情報なし

 

撮影秘話

 

本作の監督は、前作のダニー・ボイルからフアン・カルロス・フレスナディージョに引き継がれました。撮影は主にロンドンで行われ、コヴェント・ガーデン駅や金融街カナリー・ワーフなど、実際の街がロケ地として使用されました。特に、ヘリコプターからの襲撃シーンでは、実際のロンドンの風景が使われ、圧倒的なスケール感を生み出しています。また、ジェレミー・レナーは、後にMCUホークアイを演じることになりますが、本作でのドイル軍曹役は、彼のキャリアにおける重要なターニングポイントとなりました。

 

感想

 

28週後...』は、前作のテーマをさらに掘り下げ、絶望的な状況下での人間の弱さと、権力への不信を鋭く描いています。特に、家族の絆が悲劇の引き金となる展開は、観る者の心に深く突き刺さります。感染者の圧倒的なスピードと残虐さは、前作を上回る恐怖を与え、息をつく暇もありません。パニック映画として極めて高い完成度を誇る一方、物語の根底に流れるシリアスなテーマが、この作品を単なるホラー映画にとどまらない傑作にしています。

 

レビュー

 

肯定的な意見

・「前作を凌駕するパニック描写とスピード感。感染者の大群が押し寄せるシーンは圧巻。」

・「ジェレミー・レナー演じるドイル軍曹が格好良い。彼の活躍が物語に深みを与えている。」

・「軍の規律と家族愛の対立がテーマとして秀逸。人間ドラマとしても見応えがある。」

否定的な意見

・「一部の登場人物の行動が非合理的で、感情移入しにくい部分があった。」

・「ラストの展開が唐突で、続編ありきのように感じた。」

・「グロテスクな描写が多すぎる。」

 

考察

 

崩壊する「安全地帯」と人間の弱さ

本作の最大のテーマは、「安全」という概念の脆さです。軍によって厳重に管理された安全地帯は、ドンが妻への愛情という人間的な感情に負けたことで、あっけなく崩壊します。これは、いかに強固なシステムを構築しても、人間の感情や弱さが介在することで、簡単に破綻してしまうことを示唆しています。軍が市民を無差別に攻撃するシーンは、権威が恐怖に駆られたとき、いかに残酷な存在になりうるかを観る者に突きつけます。

 

新たなウイルス拡散の暗示

ラストシーンでは、主人公たちが救助を求めてたどり着いた飛行機が、ウイルスの保菌者であるアンディと共にヨーロッパへ向かう様子が描かれます。そして、フランス語の無線通信が流れる中、エッフェル塔を背景に感染者が走る姿が映し出されます。これは、ウイルスがイギリスを越えてヨーロッパ全土に拡散していくであろうことを強く暗示しています。この結末は、恐怖がまだ終わっていないことを示し、観客を更なる絶望に陥れます。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

弟のアンディがウイルスに免疫を持っていることが判明し、姉のタミーは彼を連れて軍の攻撃を逃れる。ドイル軍曹は彼らを守るために命を落とし、フリンのヘリコプターに乗り込み辛くも脱出する。しかし、フリンは感染者から逃げる際に感染してしまい、タミーは彼を殺さざるを得なくなる。そして物語は、アンディが感染しているにも関わらず発症しない「キャリア」であることに気づいたタミーが、彼を連れて逃げるシーンで終わる。最後のシーンでは、二人が乗ったヘリコプターがヨーロッパへ着陸し、そこからウイルスが再び広がるであろうことが示唆される。アンディの無自覚な保菌能力が、新たなパンデミックの引き金となるという、悲劇的な結末を迎える。

 

視聴方法

 

 

DVD&Blu-ray情報

 

 

 

まとめ

 

28週後...』は、前作のテーマをより深く掘り下げ、絶望と恐怖を極限まで描いた傑作です。家族の絆、軍事体制の脆さ、そして人間の弱さといったテーマは、単なるホラー映画を超えた感動と考察を与えてくれます。圧倒的なパニック描写と緻密な人間ドラマが融合した本作は、サバイバルホラーファンならずとも必見です。ぜひ、Amazonプライムビデオで、この壮絶な物語を体験してください。

 

映画のジャンル

 

SF、ホラー、サスペンス、パニック

 

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