『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』:伝説の未来と歪んだ現在を駆け巡るタイムスリップアドベンチャー!

前作の興奮冷めやらぬまま、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』は、マーティとドクの新たな冒険を描きます。
今回は、1985年の現在から、「未来の微調整」のために、まさかの2015年へタイムトラベル!自動で靴紐が締まるスニーカー、空飛ぶスケートボード「ホバーボード」、そして空を飛ぶ車など、当時描かれた近未来の描写は、多くの観客の想像力を掻き立てました。
しかし、ひょんなことから未来で手に入れたスポーツ年鑑が、再び1955年のビフの手に渡ってしまいます。その結果、マーティが知る現在の世界は、ビフが支配する荒廃した歪んだ世界へと変わってしまっていたのです。
歪んだ現在を元に戻すため、マーティとドクは再び1955年へ。そして、彼らは未来を変えないように、過去で自分自身が起こした行動を修正しなければならないという、複雑でスリリングな冒険に巻き込まれていきます。
概要・原題
- 原題: Back to the Future Part II
- 公開年: 1989年
- ジャンル: SF、アドベンチャー、コメディ
- 上映時間: 108分
- 監督: ロバート・ゼメキス
- プロデューサー: ボブ・ゲイル、ニール・キャントン
- あらすじ: 1985年に戻ったマーティとドクは、ドクのタイムマシン「デロリアン」に乗って、マーティの子供たちが問題を起こすという未来、2015年に向かう。未来での出来事を解決し、再び1985年に戻るが、未来で買ったスポーツ年鑑が元凶となり、ビフが権力を握る“もう一つの1985年”が誕生していた。この歪んだ歴史を修正するため、マーティとドクは再び1955年へタイムスリップする。しかし、そこでは前作のマーティとドクがまだ活動していた。二組のマーティとドクが、互いの存在を悟られないように奮闘する、複雑な時間軸の物語が展開される。
あらすじ
前作のラストから物語は始まります。ドクは未来から戻り、マーティと恋人のジェニファーに、彼らの子供たちが未来でとんでもない問題を起こすことを告げます。3人はタイムマシン「デロリアン」で2015年へ。そこで彼らは、マーティJr.が逮捕されるのを阻止し、マクフライ家の未来を救うことに成功します。
しかし、その帰り道、ドクが「未来のゴミ」として捨てたスポーツ年鑑を、年老いたビフが拾い上げ、こっそりデロリアンに乗って過去へ行き、若き日の自分に年鑑を渡してしまいます。
ドクとマーティが1985年に戻ると、そこは彼らが知っている世界とは全く異なる、ビフが支配する荒廃したヒル・バレーになっていました。ビフはスポーツ年鑑の力で大富豪となり、マーティの母ロレインを妻にし、父ジョージは殺されていました。
歪んだ歴史を元に戻すため、マーティとドクは再び1955年へ。彼らは、若き日のビフからスポーツ年鑑を取り戻し、未来が正常に戻るように奮闘します。しかし、そこには、前作でタイムスリップしたマーティとドクも存在していました。二組のマーティとドクが、互いに見つからないように、そして未来を変えないように行動する、息もつかせぬサスペンスが展開します。
キャスト
- マーティ・マクフライ / マーティJr. / マクフライの娘: マイケル・J・フォックス
- エメット・ブラウン博士(ドク): クリストファー・ロイド
- ロレイン・マクフライ: リー・トンプソン
- ビフ・タネン / グリフ・タネン / オールド・ビフ: トーマス・F・ウィルソン
- ジェニファー・パーカー: エリザベス・シュー
- ストリックランド校長: ジェームズ・トルカン
主題歌・楽曲
- 主題歌: アラン・シルヴェストリ作曲
- 挿入歌: 「Earth Angel」、「Johnny B. Goode」など、前作でも使用された名曲が再び登場します。
- 備考: アラン・シルヴェストリによる壮大なスコアは、前作のテーマを継承しつつ、より複雑で壮大な物語を盛り上げています。
受賞歴
撮影秘話
マーティ役のマイケル・J・フォックスは、本作で3つの異なる役(マーティ、マーティJr.、マクフライの娘)を演じました。また、ビフ役のトーマス・F・ウィルソンも、若き日のビフ、年老いたビフ、そしてグリフの3役を一人で演じています。
この映画で最も印象的なシーンの一つは、ホバーボードのチェイスシーンです。このシーンを実現するために、俳優たちはワイヤーアクションを駆使し、CGと組み合わせて撮影されました。この特殊技術は、当時としては画期的なものでした。また、未来のシーンで登場する小道具や衣装は、デザイナーたちが未来を想像して作り上げたもので、そのユニークなデザインは今見ても新鮮です。
感想
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』は、前作を遥かに超える複雑なタイムトラベルの物語で、観る者の頭をフル回転させます。2015年の未来の描写は、当時としては非常にユニークで、今見ると「あの時の未来はこうだったんだ」という懐かしい気持ちになります。
特に見どころは、マーティが1955年で、もう一人の自分と鉢合わせしないように奮闘するシーン。前作の有名なシーンの裏側が描かれており、ファンにとってはたまらない仕掛けです。
物語はスリリングで、一瞬たりとも目が離せません。そして、ラストシーンで物語は次なる展開へと続きます。
レビュー
肯定的な意見
・「タイムトラベルの複雑さを面白く描いている。何度見ても新しい発見がある。」
・「未来の描写がすごく楽しい。ホバーボードや空飛ぶ車にワクワクした。」
・「トーマス・F・ウィルソンの3役の演じ分けが素晴らしい!」
否定的な意見
・「ストーリーが複雑すぎて、一度観ただけでは理解しきれない。」
・「前作に比べて、SF色が強くなり、青春映画としての魅力が薄れた。」
・「ラストが完結せず、次作に続くのが少し不満だった。」
考察
タイムパラドックスの深堀り
本作は、前作よりもさらに深くタイムパラドックスというテーマに踏み込んでいます。未来で年鑑を手に入れたマーティが、過去の出来事を変えることで現在の世界が歪んでしまうという「タイムラインの分岐」を描いています。
そして、その歪んだ世界を修正するために、マーティは再び過去の「すでに起こった出来事」の裏側に潜り込むことになります。この重層的な時間軸の物語は、観客に「もし自分が過去に戻ったら?」という想像力を掻き立てると同時に、過去の小さな行動が未来に大きな影響を与えるという、時間の持つ力を強く印象付けます。
テクノロジーの進化と人類の未来
2015年の描写は、公開当時の80年代の人々が描いた「未来像」そのものです。空飛ぶ車、ホバーボード、自動でサイズが変わるジャケット、そしてテレビ電話など、その多くは今や現実のものとなっています。
しかし、本作が提示するのは、単なる技術の進歩だけではありません。年老いたビフが、タイムトラベルというテクノロジーを悪用して歴史を歪めてしまうように、技術は使い方次第で人々を不幸にもするという警告も含まれています。この映画は、未来を切り開くのは技術ではなく、あくまでも人間の良心と選択であるというメッセージを伝えているのです。
※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。
ラスト
歪んだ歴史を修正するため、1955年で若き日のビフとマーティは激しいチェイスを繰り広げます。マーティはなんとか年鑑を取り戻し、燃やし尽くすことに成功。その瞬間、彼の目の前でビフが経営する「ビフのカジノ」の看板が「ライマン・タワー」に変化し、歴史が元に戻ったことを確認します。
しかし、安堵したのもつかの間、デロリアンは雷に打たれてしまい、ドクは消息を絶ってしまいます。ドクは、マーティに送られた手紙で、1885年の西部開拓時代にタイムスリップしてしまったことを伝えます。
マーティは、西部開拓時代のドクを救うため、一人1955年に残されます。物語は、次なる冒険、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』へと続くクリフハンガーで幕を閉じます。
視聴方法
DVD&Blu-ray情報
まとめ
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』は、前作のテーマをさらに発展させ、複雑でスリリングなタイムトラベルの物語を描き切った傑作です。未来の描写は、当時から現在まで多くの人々に影響を与え、タイムトラベル映画の金字塔として、今もなお輝きを放っています。
この映画は、単なるSFアドベンチャーではなく、人間の選択や行動が未来に与える影響について深く考えさせられる作品です。さあ、あなたもデロリアンに乗り込み、時空を超える冒険の旅に出発しませんか?
映画のジャンル
SF、アドベンチャー、コメディ
- マイケル・J・フォックス
- クリストファー・ロイド
- SF映画
- アドベンチャー
- 続編
- タイムトラベル