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映画『インシディアス 赤い扉』:10年後に再燃するランバート親子の封印された悪夢

 

映画『インシディアス 赤い扉』:10年後に再燃するランバート親子の封印された悪夢

映画 インシディアス 赤い扉のポスター画像

映画『インシディアス 赤い扉』(原題:Insidious: The Red Door)は、2023年に公開されたホラー映画であり、シリーズ第2作『インシディアス 第2章』の直系の続編として位置づけられます。ランバート一家に起きた悲劇から10年後が舞台となり、主人公はジョシュと息子のドルトンです。過去の出来事と「彼方」の記憶を封印したはずの彼らは、その強烈なトラウマを抱えたまま、父子の間に深い確執を抱えて生きていました。ドルトンは大学に進学し、アートセラピーのクラスで潜在意識下の恐怖を絵に描き始めたことがきっかけで、再び邪悪な存在を引き寄せてしまいます。一方、ジョシュもまた、母親のロレインを亡くしたことで、封印されていた記憶の断片に苦しめられ始めます。ランバート家を襲った悪霊の根源である「彼方」の世界は、10年という時を超えて再び彼らを呼び寄せ、父と息子は、過去の悪魔と決着をつけるために、封印したはずの「赤い扉」をもう一度開かざるを得なくなります。本作は、ジョシュ・ランバート役のパトリック・ウィルソンが初めて監督を務め、ランバート一家の物語に一つの終止符を打つ、シリーズ集大成の作品です。

 

 

 

 

概要・原題

 

  • 原題: Insidious: The Red Door
  • 公開年: 2023年(日本では2023年公開)
  • 上映時間: 107分
  • ジャンル: ホラー、オカルト、超常現象
  • 監督: パトリック・ウィルソン

 

あらすじ

 

ランバート一家の呪われた出来事から10年。ジョシュとドルトンは、過去の記憶を催眠療法で封印し、普通の生活を送ろうとしていました。しかし、記憶を消したことで、父子の関係は冷え切り、疎遠になっていました。ドルトンは美大に進学しますが、アートの授業で自分の深層心理にある暗い部分を表現するよう促され、無意識のうちに恐ろしい「赤い扉」や悪霊の絵を描き始めます。その絵が完成に近づくにつれて、大学の寮やジョシュの周囲で不可解な超常現象が再発します。一方、ジョシュは母親ロレインの死をきっかけに、封印されていた過去の記憶に苛まれ始めます。ドルトンが描いた絵と、自身のフラッシュバックが繋がっていることに気づいたジョシュは、息子が再び「彼方」に引き込まれていることを知ります。ドルトンはクラスメイトのクリスと共に自身の霊的なルーツを調べ始め、ジョシュは父として息子を救うため、封印された記憶と能力を取り戻し、すべての恐怖の根源である「赤い扉」の背後にある最も邪悪な悪魔と、決着をつけるため最後の戦いに挑みます。

 

キャスト

 

 

主題歌・楽曲

 

  • 特記事項: シリーズでお馴染みのジョセフ・ビシャラが音楽を担当し、本作でも彼の代名詞である不協和音と静寂を活かしたスコアが恐怖を煽ります。本作は父子の感情的な葛藤がテーマであるため、過去作と比べて、人間の心理的な不安や悲しみを表現するメロディーラインが多く取り入れられています。特に「彼方」への再訪シーンでは、静寂から一転して強烈なノイズを伴う音響効果が使用され、観客を驚かせます。

 

受賞歴 

 

  • 本作は、ホラー映画としてだけでなく、ランバート一家の物語の結末を見届けたいというファンの熱意により、公開時に大きな興行収入を記録しました。シリーズの中心人物であるパトリック・ウィルソンの監督デビュー作としても評価され、主演のタイ・シンプキンスは、青年になったドルトンの複雑な感情を見事に演じ切り、高い評価を受けました。

 

撮影秘話

 

  • ジョシュ・ランバート役のパトリック・ウィルソンが、本作で初めて長編映画の監督を務めました。彼は、恐怖演出よりも、ランバート親子の断絶と再会という感情的な要素に焦点を当てることを重視しました。
  • 撮影中、タイ・シンプキンスは、10代のドルトンが抱える内面的な混乱と、霊的な世界への回帰という二重のプレッシャーを表現するために、監督と密に協力したと語っています。
  • 物語の重要な要素であるドルトンの絵画は、実際に美術スタッフと協力して、映画のテーマを象徴するように緻密にデザインされました。この絵が、彼のトラウマと「彼方」への扉を呼び出す鍵となります。

 

感想

 

インシディアス 赤い扉』は、単なるホラー映画という枠を超え、トラウマと記憶、そして家族の絆について深く考えさせる作品です。10年という時間の経過が、ジョシュとドルトンの間にできた埋めがたい溝をリアルに描いており、それが超常現象による恐怖と絡み合うことで、より心理的な緊張感を生んでいます。パトリック・ウィルソンの監督としての視点は、ランバート一家の苦悩に対する深い共感に満ちており、過去の悪霊との戦いだけでなく、父子が互いを理解し、許し合う過程が感動的でした。特に、ドルトンが大学で経験する恐怖と、父ジョシュが記憶を取り戻していくシーンは、シリーズのファンならずとも引き込まれる完成度の高さです。

 

レビュー

 

肯定的な意見

ランバート一家の物語が完結したことで、シリーズのファンは大きな満足感を得た。

パトリック・ウィルソンとタイ・シンプキンスによる父子の感情的なドラマが優れている。

・ドルトンのアートを介した恐怖の表現が斬新であり、視覚的な面白さがある。

否定的な意見

・前作までのプリークエル(前日譚)と比較すると、ジャンプスケア(飛び上がり型の恐怖演出)の頻度が少なくなったと感じる人もいる。

・物語の中心が悪魔との対決よりも父子のドラマに移ったことで、純粋なホラー要素が薄れたという意見もある。

 

考察

 

「赤い扉」の象徴性とトラウマの継承

本作のタイトルにもある「赤い扉」は、ランバート家にとって、封印された過去の記憶と、悪霊が潜む「彼方」への最も危険な入り口を象徴しています。10年前に記憶を消した行為は、問題の解決ではなく、単なる一時的な扉の封印に過ぎなかったことを示しています。ドルトンが描く赤い扉は、彼が意識下で父からトラウマを継承し、それを表現しようとしている証です。この映画は、トラウマは封印できるものではなく、真に乗り越えるためには、一度扉を開けて過去の悪魔と対峙しなければならないという、深いメッセージを伝えています。

 

エリーズの不在と父子の自立

これまでのシリーズで中心的な役割を果たしてきた霊媒師エリーズは、既に故人であるため、本作では霊的な導き手としてのみ登場します。これは、ジョシュとドルトンが、自らの力と絆で悪魔と戦い、問題を解決しなければならないことを意味します。外部の助けを借りず、親子の愛と自己犠牲の精神によって「彼方」の恐怖を克服する過程は、ランバート一家の物語に感動的な結末をもたらしています。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

ドルトンは、自分の絵の力を使って「彼方」へと入り込み、ジョシュもまた記憶を取り戻し、息子を追います。彼らは「赤い扉」の背後にある悪魔、すなわち過去にジョシュに取り憑いていた花嫁の悪魔の根源と対峙します。ジョシュは、ドルトンが悪霊に襲われるのを見て、過去の記憶を完全に受け入れ、自分の能力と力を取り戻します。父子協力し、ドルトンは最後の力を振り絞って、自分が描いた「赤い扉」を塗りつぶし、物理的にも霊的にも扉を完全に封印することに成功します。これにより、ランバート一家を長年苦しめてきた「彼方」との繋がりはついに断たれます。現実世界に戻った後、ジョシュとドルトンの間のわだかまりは解消され、二人は和解します。物語の最後、ジョシュはピアノを弾いている時に、エリーズの霊が彼の傍らに現れ、彼らがもう安全であることを示唆するように微笑みます。そして、赤い扉が封印されたドルトンの絵が展示される大学の会場で、ドルトンは父に感謝の言葉を伝え、ランバート家の長く苦しい戦いは真の終焉を迎えます。

 

視聴方法 

 

 

DVD&Blu-ray情報   

 

 

まとめ

 

映画『インシディアス 赤い扉』は、ランバート一家の物語を感情豊かに、そして緊迫感を持って完結させた傑作です。パトリック・ウィルソンの初監督作品ながら、家族間のトラウマと和解という普遍的なテーマをホラーというジャンルで見事に描き切りました。恐怖の根源である「彼方」への最後の旅を通じて、ジョシュとドルトンは自らの運命に決着をつけます。シリーズのファンはもちろん、単体の家族ドラマとしても楽しめる、見ごたえのある作品です。

 

映画のジャンル 

 

ホラー、オカルト、超常現象