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映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』:アルプスの高級療養所に隠された恐ろしい真実

 

映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』:アルプスの高級療養所に隠された恐ろしい真実

映画 キュア ~禁断の隔離病棟~のポスター

映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』は、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで知られるゴア・ヴァービンスキー監督が手がけた、耽美的で不気味なサイコスリラーです。主人公のNYの若手金融マン、ロックハートは、会社の不正を隠蔽するため、アルプスの人里離れた高級療養所に出かけたまま戻らない社長を連れ戻すよう命じられます。現地に到着したロックハートは、美しくも異様な療養所の雰囲気に圧倒されます。そこで暮らす患者たちは皆、富裕層ですが、なぜか帰ることを望みません。社長に会えず焦るロックハートは、ホテルに戻る途中で交通事故に遭い、皮肉にもその療養所で足の治療を受けることになってしまいます。彼は「治療」の名のもとに外界から隔離され、退院を拒否されます。療養所に閉じ込められたロックハートは、この場所の「ウェルネス(健康)」と呼ばれる奇妙な治療法と、ヴォルマー医師が隠す恐ろしい真実に迫っていくことになります。水が常に循環するこの施設は、外界とは隔絶された悪夢のような世界でした。

 

 

 

 

概要・原題

 

  • 原題: A Cure for Wellness
  • 公開年: 2017年
  • 上映時間: 146分
  • ジャンル: サイコスリラー、ホラー、ファンタジー
  • 監督: ゴア・ヴァービンスキー(Gore Verbinski)
  • 備考: 監督は、自身のホラー作品『ザ・リング』の精神的な続編のような作品だと述べています。

 

あらすじ

 

ロックハートは足を怪我し、療養所に入院させられますが、彼自身は健康ですぐに退院できると考えています。しかし、ヴォルマー医師は彼の精神的なストレスを指摘し、治療が必要だと主張します。療養所では、患者たちは特殊なミネラルウォーターを飲まされ、奇妙な治療セッションを受けています。ロックハートは、社長が連れ戻されることを拒否しているだけでなく、外部との連絡が遮断され、誰も療養所から出て行こうとしないことに疑念を抱きます。彼は秘密裏に施設の調査を始めますが、その過程で、この場所が過去に起こった恐ろしい出来事、特に300年前に地元の貴族が妹と行った近親相姦と、彼が住民に殺された事件に関わっていることを知ります。ヴォルマー医師が率いるこの療養所は、健康を取り戻す場所ではなく、何か恐ろしいものを維持するために存在しているようでした。ロックハートは、純粋で謎めいた少女ハンナの存在に惹かれながらも、自分自身が療養所の「治療」に囚われ、精神的に追い詰められていきます。

 

キャスト

 

  • ロックハート: デイン・デハーン(Dane DeHaan)
  • ヴォルマー医師: ジェイソン・アイザックス(Jason Isaacs)
  • ハンナ: ミア・ゴス(Mia Goth)
  • イーヴォ・ナンディ(Ivo Nandi)
  • エイドリアン・シラー(Adrian Schiller)
  • セリア・イムリー(Celia Imrie)
  • ハリー・グローナー(Harry Groener)
  • トマス・ノルシュトレム(Tomas Norstrom)
  • マグヌス・クレッペル(Magnus Krepper)
  • デヴィッド・ビシンズ(David Bisins)
  • カール・ランブリー(Carl Lambly)
  • リサ・ベインズ(Lisa Banes)

 

主題歌・楽曲 

 

作曲はベンジャミン・ウォルフィッシュが担当しています。オーケストラを基調とし、アルプスの美しさと狂気のコントラストを表現しています。特に荘厳でオペラ的な要素が取り入れられたスコアは、療養所の異様で古い歴史を感じさせます。水の流れる音や、遠くから聞こえる叫び声のような不気味な音響効果も、心理的な不安を煽るのに貢献しています。

 

受賞歴

 

  • (現在のところ、目立った受賞・ノミネート情報はありません)

 

撮影秘話

 

  • 映画の主要なロケ地は、ドイツのホーエンツォレルン城や、バート・シュタッフェルシュタインにあるバンベルクの水道局、そしてベルリン周辺の古い病院施設など、歴史的で重厚感のある場所が選ばれました。これらのロケ地が、療養所の閉鎖的で時代錯誤的な雰囲気を完璧に作り出しています。
  • 水槽での撮影や、大量のウナギを使ったシーンなど、視覚的にインパクトのあるシーンが多く、撮影には特殊な機材と手間がかけられました。
  • デイン・デハーンは、撮影中に役柄のストレスと隔離された環境から、実際に体調を崩しそうになったと語っています。

 

感想

 

この映画は、長尺ながら、ゴア・ヴァービンスキー監督ならではの圧倒的な映像美と、細かいディテールへのこだわりが光る作品です。アルプスの自然の美しさと、療養所の病的な雰囲気が対比され、独特の耽美的なホラー体験を提供します。物語は難解で象徴的な表現が多く、一度観ただけでは全てを理解するのは難しいかもしれませんが、その分、考察の余地が多く残されています。古典的なゴシックホラーの要素と、現代の企業の病理というテーマが融合しており、視覚的な刺激と精神的な不快感が共存する、異色のエンターテイメントと言えます。

 

レビュー

 

肯定的な意見

・「映像の完成度が非常に高く、美術的なセンスが素晴らしい。アルプスの療養所の風景は圧巻。」

・「ジェイソン・アイザックスが演じるヴォルマー医師の不気味さと、ミア・ゴスの純粋さが際立っている。」

・「現代社会のストレスや健康への執着を皮肉ったテーマが深く、考えさせられる。」

否定的な意見 

・「上映時間が長く、中盤の展開が冗長に感じる。もっとコンパクトにまとめられたはず。」

・「物語が非現実的かつ難解で、説明不足な部分が多い。」

・「ホラーというよりは、雰囲気重視のサイコスリラーであり、期待していた恐怖とは違った。」

 

考察

 

「治療」の真の目的

療養所の治療は、病気を治すことではなく、特定の純粋な人間から抽出される「エッセンス」を精製するための偽装でした。このエッセンスこそが、ヴォルマー医師の延命に必要不可欠な要素だったのです。患者たちが飲むミネラルウォーターには、実はこのエッセンスの原料であるウナギが混入しており、患者たちは知らず知らずのうちに、生命力を奪われていました。

 

ヴォルマー医師の正体

ヴォルマー医師は、かつて近親相姦の罪で村人に殺され、顔にひどい火傷を負った貴族の男性その人でした。彼は特殊なエッセンスを摂取し続けることで300年以上生き永らえていました。彼の目的は、妹との間に生まれた娘であるハンナの純粋なエッセンスを手に入れ、永遠に生き続けることでした。

 

ロックハートの役割

ロックハートは、会社の社長を連れ戻すというより、療養所の犠牲者になるべく運命づけられていました。彼の不正行為によるストレスや罪悪感は、ヴォルマー医師が「治療」と称して彼を留まらせるための口実となりました。彼は、現代の社会的な病を体現する人物として描かれています。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

ロックハートは、療養所の地下でヴォルマー医師がハンナの純粋なエッセンスを抽出する恐ろしい儀式を目撃します。ヴォルマー医師の正体が、300年前の火傷を負った貴族であることを知ったロックハートは、彼と対決します。ヴォルマー医師は、ロックハートに自分と同じように永遠の命を得るための「治療」を施そうとします。ロックハートはヴォルマー医師の攻撃をかわし、激しい戦いの末、ヴォルマー医師を炎の中に突き落とします。療養所全体が火事になり、崩壊していく中、ロックハートはハンナを救い出します。ハンナは、ヴォルマー医師の手から逃れたことで純粋な存在ではなくなり、普通の女性として成長することができます。療養所の外に出たロックハートは、ヴォルマー医師の顔の皮膚を剥ぎ取り、道化師のような狂気に満ちた笑顔を浮かべます。彼は、会社の人間を連れてきた車を追い越し、ハンナと共に自転車でアルプスの道を下っていきます。ロックハートは療養所の狂気を体内に取り込み、新しい存在へと変貌したことを示唆して、映画は終わります。

 

視聴方法 

 

 

DVD&Blu-ray情報  

 

 

まとめ   

 

映画『キュア ~禁断の隔離病棟~』は、現代社会の病と、それを癒すという名のもとに隠された狂気と恐怖を描いたゴア・ヴァービンスキー監督の野心作です。退廃的な美しさと、アルプスの閉鎖的な空間が織りなす悪夢のような世界観は、観客に強い印象を残します。

 

映画のジャンル 

 

サイコスリラー、ホラー、ファンタジー