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映画『モンスター・エージェント ネリーの奇妙な冒険』:普通とは何かを問い直す、孤独な少女と心優しいモンスターたちの絆

 

映画『モンスター・エージェント ネリーの奇妙な冒険』:普通とは何かを問い直す、孤独な少女と心優しいモンスターたちの絆

映画 モンスター・エージェント ネリーの奇妙な冒険 のポスター

学校で友達ができず孤独を感じている少女ネリーが、一族の秘密を知り、モンスター・エージェントとして成長していく姿を描いたスウェーデン発のファンタジー作品です。吸血鬼、オオカミ人間、フランケンシュタインといった伝統的なモンスターたちが登場しますが、本作はそれらを単なる退治の対象として描くのではなく、多様性と共生をテーマにした心温まる物語となっています。

 

 

 

 

概要・原題

 

  • 原題: Nelly Rapp - Monsteragent
  • 公開年: 2020年(スウェーデン)
  • 監督: アマンダ・アドルフソン
  • 脚本: ソフィー・フォシュマン、トヴェ・フォシュマン
  • ジャンル: ファンタジー、アドベンチャー
  • 上映時間: 約93分

 

あらすじ

 

友達のいない少女ネリーは、休暇の間、叔父のハンニバルが住む古めかしい屋敷で過ごすことになります。ある夜、屋敷の中から響く不審な音を追いかけたネリーは、地下室に囚われていた吸血鬼を発見してしまいます。驚くネリーに明かされたのは、自分の一族が代々モンスター・エージェントであるという衝撃の事実でした。かつて交通事故で亡くなったと聞かされていた母は、実はオオカミ人間を追跡している最中に行方不明になったエージェントだったのです。母の形見であるエージェント・バッジを手にしたネリーは、自分もエージェントになることを決意します。しかし、叔父のハンニバルは彼女の身を案じて反対します。そんな中、ネリーは森の中でフランケンシュタインの少女ロベルタと出会います。世間から迫害されるロベルタの孤独を知ったネリーは、力でモンスターを制圧しようとするエージェントたちのやり方に疑問を抱き始めます。

 

キャスト

 

  • ネリー: マチルダ・グロス(好奇心旺盛で正義感の強い主人公)
  • ロベルタ: リリー・ワフルスティーン(フランケンシュタインの少女)
  • レーナ・スレム: マリアン・モルク(エージェントの教官)
  • ハンニバル: ヨハン・リボーグ(ネリーの叔父)
  • ヴィンセント: ブジョーン・グスタフッソン

 

主題歌・楽曲

 

  • 音楽: ハンス・ルンドグレン
  • 特徴: 北欧らしい少しダークで幻想的な雰囲気と、子供たちの冒険を彩る軽快なオーケストラサウンドが特徴です。物語の舞台となる古い屋敷や霧深い森の空気を音で表現しています。

 

受賞歴

 

  • スウェーデンの権威ある映画賞「ゴールデン・ビートル賞(Guldbaggen)」において、衣装デザイン賞とメイクアップ賞を受賞。モンスターたちの個性的で魅力的なビジュアルが、北欧の映画界で高く評価されました。

 

撮影秘話

 

  • 本作は、スウェーデンで人気の児童文学シリーズ「Nelly Rapp」を実写映画化したものです。原作の持つユーモアと不気味さを忠実に再現するため、セットのデザインには細部までこだわっています。
  • フランケンシュタインのロベルタを演じたリリー・ワフルスティーンは、特殊メイクに毎日数時間を費やしましたが、その外見以上に繊細な内面を表現することに重点を置いた演技を披露しました。
  • 監督のアマンダ・アドルフソンは、子供向け映画であっても「恐怖」や「悲しみ」という感情を隠さず、真摯に描くことを大切にしたと語っています。

 

感想

 

モンスターを退治するアクション映画かと思いきや、実は異質なものを受け入れる寛容さを描いた深い人間ドラマでした。ティム・バートン監督の「シザーハンズ」にも通じるような、世間と相容れない異形のものたちが抱える孤独と愛おしさが全編に漂っています。特にフランケンシュタインの少女ロベルタが健気で、100年以上も孤独に耐えてきた彼女の背景を知ると、胸が締め付けられるような思いになります。子供向けと侮れない、大人の心にも深く響く良作です。

 

レビュー

 

肯定的な意見

・普通であることを強要される社会の中で、マイノリティの肯定を描いている点が素晴らしい。

・北欧ならではの色彩感覚と、モンスターのデザインが非常にセンスが良い。

・ラストシーンで描かれるモンスターカフェのアイデアが最高で、元気をもらえる。

 

否定的な意見

・行方不明の母親に関する謎が完全には解決しておらず、消化不良に感じる部分がある。

・もう少しアクション要素や、モンスターとのバトルを期待していた人には物足りないかもしれない。

 

考察

 

普通という概念への挑戦

ネリー自身が学校で周囲に馴染めない存在として描かれていることは、モンスターたちが置かれている状況の暗喩になっています。社会が定義する普通から外れた者を排除するのではなく、その特性を活かしていく方向性は、現代の多様性(ダイバーシティ)の議論とも重なります。エージェントたちが守ろうとしていた秩序は、実は狭い価値観に基づいたものであったことにネリーが気づく過程は非常に重要です。

 

続編への布石としての謎

多くのレビュアーが指摘するように、ネリーの母親の行方については明確な結論が出ません。しかし、物語の途中でオオカミ人間の女性から母親について語られるシーンなど、彼女が生きている可能性を強く示唆しています。これは続編への重要な伏線となっており、ネリーがエージェントとして一人前になった時に再会するという、より大きな物語の導入部分であると考えられます。

 

 

※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。

 

ラスト

 

エージェントたちはロベルタを危険なモンスターとして捕らえようとしますが、ネリーは彼女の優しさを証明するために奔走します。最終的に、ネリーはモンスターと人間が共存できる方法を見つけ出します。それは、モンスターたちの負の要素を逆手に取ったエンターテインメント施設「モンスターカフェ」をオープンさせることでした。吸血鬼は献血を受け付け、フランケンシュタインは力仕事をこなし、それぞれの個性が社会に受け入れられる場所を作ったのです。ネリー自身もまた、自分のマイナーな部分を誇りに思うようになります。一方、母親が追いかけていたオオカミ人間ウーマンと対峙した際、母の行方についての決定的な情報は得られませんでしたが、ネリーは母の意志を継ぎ、新しい時代のエージェントとして歩み始める決意を固めて物語は幕を閉じます。

 

視聴方法

 

 

DVD&Blu-ray情報

 

本作のDVDは、日本語吹き替え版も収録されて発売されています。ジャケットには主要なモンスターたちが勢揃いしており、コレクション性も高いアイテムです。レンタル店やオンラインショップでも広く取り扱われています。

 

 

 

 

まとめ

 

『モンスター・エージェント ネリーの奇妙な冒険』は、異質なものを排除するのではなく、受け入れることで自分自身も豊かになれることを教えてくれる名作です。孤独な少女と孤独なモンスターが出会う時、世界の見え方が変わります。ラストのモンスターカフェのように、自分の欠点だと思っている部分を武器に変える勇気をもらえる一作です。

 

映画のジャンル

 

ファンタジー、アドベンチャー、ファミリー

  • モンスター・エージェント ネリーの奇妙な冒険
  • Nelly Rapp - Monsteragent
  • スウェーデン映画
  • マチルダ・グロス
  • モンスターとの共生
  • 北欧ファンタジー
  • 多様性
  • いじめ対策