映画『モンスターハンター』:超巨大なモンスターが支配する異世界へ!特殊部隊とハンターが挑むサバイバル・アクション

エリート特殊部隊「デルタ・フォース」を率いる軍人アルテミス大尉は、砂漠での偵察任務中、突如発生した規格外の超巨大な砂嵐に遭遇します。必死に逃れようと試みるも、彼女の部隊は一瞬にして砂嵐の中に飲み込まれてしまいました。強烈な突風と激しい稲光の中で意識を失ったアルテミスが次に目を覚ましたのは、彼女が元いた世界とは完全に異なる、見知らぬ異世界でした。その世界は、近代兵器や銃弾が一切通用しない強靭な肉体を持つ、巨大で恐ろしいモンスターが蔓延る危険地帯でした。そんな世界でアルテミスが出会ったのは、その巨大モンスターの狩猟を生業とする謎の男「ハンター」。言葉は通じなくとも、お互いに生き残るという共通の目的を持った二人は、元の世界に戻るという困難な目標のために、次々と迫りくる巨大モンスターとの激闘を繰り広げることになります。カプコンの大人気ゲームを、映画『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督とミラ・ジョヴォヴィッチのタッグが贈る、壮大なサバイバル・アクションファンタジーです。
概要・原題
- 原題: Monster Hunter
- 公開年: 2020年(アメリカ/ドイツ/中国/日本)
- 上映時間: 104分
- ジャンル: アクション、ファンタジー、アドベンチャー
- 監督: ポール・W・S・アンダーソン(Paul W. S. Anderson)
- 原作: カプコン「モンスターハンター」シリーズ
- 出演者: ミラ・ジョヴォヴィッチ(Milla Jovovich)、トニー・ジャー(Tony Jaa)、ロン・パールマン(Ron Perlman)、山崎紘菜 他
あらすじ
アルテミス大尉率いる国連の多国籍部隊は、超常現象の調査中に時空の歪みに遭遇し、モンスターが支配する異世界に転送されてしまいます。彼らは、巨大な角竜ディアブロスや、灼熱の砂を泳ぐシェン・ガオレンに似たモンスターなど、次々と襲いかかる脅威に近代兵器が無力であることを悟ります。部隊が壊滅状態となる中、アルテミスは異世界の住人である熟練のハンターと遭遇。言語は通じませんが、生き残りのための協力関係を築きます。ハンターは、巨大な大剣や弓といったゲームでお馴染みの武器を使いこなし、アルテミスにモンスターの倒し方と異世界でのサバイバル術を教えます。二人は、アルテミスを元の世界に戻す鍵となる「天空の塔」を目指し、巨大モンスター「リオレウス」をはじめとする強大な敵との激しいバトルを繰り広げます。やがて彼らは、この世界が誕生した背景にある、さらに巨大な脅威に直面することになります。
キャスト
- アルテミス大尉(主人公): ミラ・ジョヴォヴィッチ(Milla Jovovich)
- ハンター: トニー・ジャー(Tony Jaa)
- 隊長(The Admiral): ロン・パールマン(Ron Perlman)
- ハンドラー: 山崎紘菜
- リンカーン: T.I.
主題歌・楽曲
- 音楽: ポール・ハスリンジャー(Paul Haslinger)
- 特記事項: 映画の音楽は、原作ゲームの壮大なオーケストラ調のサウンドを取り入れつつ、ハリウッドのアクション映画らしい重厚感を加えています。特にモンスターとの戦闘シーンでは、迫力あるドラムとブラスセクションが用いられ、極限のサバイバル感を盛り上げています。ゲームファンにはお馴染みのテーマ曲のフレーズも随所に散りばめられています。
受賞歴
撮影秘話
- 監督のポール・W・S・アンダーソンは、自身も『モンスターハンター』のゲームファンであり、特にモンスターのデザインと生態系を忠実に再現することにこだわったと語っています。
- 映画のロケ地は、南アフリカとナミビアの広大な砂漠で行われました。これにより、異世界の荒涼とした風景や、巨大モンスターが棲む壮大な環境をリアルに表現しています。
- ハンター役のトニー・ジャーは、自身の持つ卓越したマーシャルアーツのスキルを活かし、ワイヤーやスタントを極力使わずにリアルなアクションシーンに貢献しました。
- 山崎紘菜は、ゲームのキャラクターである「受付嬢(ハンドラー)」役として出演し、ハリウッドデビューを果たしました。
感想
映画『モンスターハンター』は、原作ゲームの「巨大モンスターとの戦い」という核となる魅力を、ハリウッドのVFX技術で迫力満点に映像化したアクション映画です。ゲームを知らない観客でも、その圧倒的なモンスターの迫力と、アルテミスが徐々にハンターとしてのスキルを身につけていくサバイバルドラマとして楽しめます。特に、ディアブロス、アプトノス、リオレウスといった人気モンスターの登場シーンは、ゲームファンにとって胸熱の瞬間となるでしょう。ミラ・ジョヴォヴィッチとトニー・ジャーの異色なバディ感も魅力的で、次から次へと繰り広げられるアクションは、まさにエンターテイメントの極致です。
レビュー
肯定的な意見
・「巨大モンスターの再現度が驚異的で、特にディアブロスとの戦闘シーンは圧巻の迫力。」
・「ミラ・ジョヴォヴィッチのアクションと、トニー・ジャーの本格的な体術の組み合わせが新鮮で面白い。」
・「ゲームの要素(大剣、弓、スリンガーなど)が随所に散りばめられており、ファンサービスに満ちている。」
否定的な意見
・「ストーリーがシンプルすぎて、原作ファンからは設定の改変や異世界転移の導入に批判的な意見も出た。」
・「人間のドラマよりも、モンスターとの戦闘に比重が置かれすぎており、感情移入しにくい。」
考察
異世界「モンハン」への転移とテーマ
本作の大きな特徴は、原作ゲームにはない「異世界転移(トランスポート)」の要素を導入した点です。これにより、アルテミスという近代兵器を持つ軍人の視点から、巨大なモンスターが支配する世界がいかに異質で恐ろしいかを際立たせています。彼女の現代のテクノロジーが通用しない世界でのサバイバルは、「人間が自然や未知の力に対して、謙虚さをもって立ち向かう」という、ゲーム版とは異なる視点でのテーマを提示しています。
ゲームファンへのサービスと忠実性
監督は、原作へのリスペクトを示すため、モンスターの登場の仕方、ハンターの装備、そしてアイルー(猫の獣人)の登場など、細部にわたってゲームの要素を忠実に再現しています。特にハンターが武器を切り替えるシーンや、トニー・ジャー演じるハンターが繰り出す体術は、ゲームの動きを彷彿とさせ、ファンを喜ばせました。
※以下、映画のラストに関する重大なネタバレが含まれます。
未視聴の方はご注意ください。
ラスト
アルテミスとハンターは、協力して強大な古龍種モンスター「リオレウス」を撃退し、アルテミスを元の世界に戻すための時空の歪みへと辿り着きます。しかし、アルテミスが元の世界に戻った瞬間、リオレウスもまたその歪みを通り抜け、現代の空に現れてしまいます。アルテミスは元の世界でもモンスターとの戦いを強いられることになり、そこにハンターと、さらに「隊長(ロン・パールマン)」も異世界から現れます。隊長は、アルテミスに「まだ終わっていない」と告げ、彼らが協力してリオレウスを追跡し、元の世界での新たな戦いに挑むことが示唆されます。この結末は、さらなる続編、すなわち「モンスターハンター」と「現代社会」が交錯する世界観の拡張を強く示唆するクリフハンガーで幕を閉じます。
視聴方法
DVD&Blu-ray情報
まとめ
『モンスターハンター』は、ゲームの魂とも言える「巨大モンスターとの狩猟」を、ハリウッドのトップクラスの技術で実現した、爽快感あふれるアクションファンタジーです。ゲームファンも、そうでない観客も、その圧倒的なスケールと、ミラ・ジョヴォヴィッチ&トニー・ジャーの繰り広げる激闘に興奮すること間違いありません。続編の期待が高まる、熱いアドベンチャー作品です。
映画のジャンル
- 映画 モンスターハンター
- Monster Hunter
- ミラ・ジョヴォヴィッチ
- トニー・ジャー
- カプコン
- リオレウス